サムズアップ!

 今日友達のKが新しいギターを買った。ギブソンレスポールジュニアのキース仕様。ワントーン、ワンボリューム、ワンピックアップのとてつもなくシンプルなやつ。「えーっと、これとこれは使わないや、うーんじゃあこれもとっちゃえ!」っていう感じ。ボディーは華奢なのにとんでもないパワーを持っている。誰かさんみたいだ。
 で、今日から相棒になった奴が弾くと間違いなく相性ぴったりだった。それで俺も弾いてみたら俺じゃダメみたいだった(笑)。

 「素晴らしい音」を奏でるギタリストがいたらそれはギターと持ち主の相性がいいからだ。そして、そこにはビビッと来る運命の出会いや、それまでの付き合い方が反映されている。
 すごくいいギターとすごくうまい奴、ってだけの単純な組み合わせじゃ「素晴らしい音」なんて出ない場合もある。またどんなにいいギターでも、どんなにがんばろうがいい音が出ない場合もある。
 これは夢見がちな俺の物語の次のページをめくったときに訪れた真実でもある。で、その物語はまだ話の途中だからしばらく読み返すこともないだろう。

 昨日、曽我部恵一バンドのライブを法政で見てきた。「日本にロックはない」と誰かが言うのを散々聞いてきけど、それは嘘だったし、そんなことを言う人は「名盤」と書かれた棺桶の中に片足突っ込んで安心する奴らなんだ。

俺はいつも心の中で親指を上に上げて生きてゆく。グッバイとグッドラックを込めて。